「サクラ…はどう?」


 サクラは 俺が現在 一番大切に育てている花

 もう少しで花が咲きそうで 即培機で3年かけて育ててきた花


「サクラ…」

「花、だよ。綺麗な花」

「いいの…綺麗な花なのに?」

「君によく似合うよ…」


 サクラ、と俺が呼ぶと 彼は俺を見上げた

 瞳の中に 嬉しさと 同じくらいの恥じらいをたたえて

 それから 俺は彼を抱きしめる


「サクラ、今日からここが君のうちだ」

「僕は…スズキさんに、何をすればいい?」

「一緒にいてくれれば、いいよ」

「一緒にいるだけで、いいの?」

「あぁ…もちろん」


 人が傍にいるという 安堵感

 誰かをこうして抱きしめるのは 何年ぶりなのか


「ありがとう」


 こうして 俺とサクラの生活が始まった

 このときから俺は サクラに恋をしていたのかもしれない

 あと3ヶ月 俺は サクラを幸せにするために 生きることにした
 
   






















アクセス解析 SEO/SEO対策